ニュース


カルメン・コジョカル
クレストン・グローバルESG諮問委員会ESGテクニカル・ディレクター
カルメン・コジョカルは公認会計士、会計監査人、欧州公認タックス・アドバイザーであり、会計、監査、税務、ビジネス・プロセス・アウトソーシングの分野で20年以上の経験を持つ。

会計におけるDEI:Z世代の人材を獲得するための重要な戦略

June 23, 2025

価値観が重視される今日、会計士という職業は極めて重要な局面を迎えている。Z世代が労働力に加わるにつれ、彼らの優先事項は金銭的な報酬にとどまらなくなっている。彼らは、包括性、信頼性、社会的影響に対する真のコミットメントを示す雇用主を求める。ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)イニシアチブの戦略的重要性を見落としている企業は、この新たな才能との接点を失い、採用の成功と長期的な文化的完全性の両方を損なう可能性がある。

クレストン・グローバルのESGテクニカル・ディレクターであり、クレストン・ルーマニアのマネージング・パートナーであるカルメン・コジョカルが、会計におけるDEIとZ世代にとっての重要性についてInternational Accounting Bulletin誌と対談した。

会計におけるDEIがZ世代に重要な理由

Z世代は社会正義感が強いことで広く知られている。デジタルネイティブである彼らは、雇用主との関係において透明性と信頼性を優先する。彼らは単に給料を追い求めているのではなく、自分の価値観との一致を求めているのだ。2021年のIBMInstitute for Business Valueの調査によると、Z世代の61%が、多様性とインクルージョンを優先する企業に応募する傾向があるという。

Z世代が最も重視するもの

同様に、英国協同組合(Co-operatives UK)の調査によれば、Z世代労働者の61%が、給与と同じくらい企業文化や理念を重視している。このような明確な期待がある以上、企業がDEIに投資すべきかどうかはもはや問題ではなく、会計事務所の未来を形成する人材を惹きつけ、維持するために、どのようにこれらの価値観を根付かせることができるかが問われている。

会計におけるDEIが依然として業績を牽引する理由

DEIは長い間、採用と業績の中心的な役割を担ってきた。マッキンゼーの調査によると、多様性のあるチームは他のチームを39%上回る可能性があり、多様な視点がイノベーション、敏捷性、グローバルクライアントへの対応力を促進することを証明している。

しかし、政治的な変化により、ビッグ4のリーダーでさえ、DEIの取り組みを縮小する企業も出てきている。このことは、信頼性とインクルージョンが不可欠なZ世代の人材を疎外するリスクがあり、トップクラスの応募者の減少と長期的なパフォーマンスの低下につながる可能性がある。

会計におけるDEI放棄のビジネスリスク

Z世代を卒業した優秀な人材が、DEIに積極的に投資する企業と、コスト削減のためにDEIを控える企業のどちらを選ぶかを考えてみよう。この新卒者にとって、価値観は給与と同じくらい重要であり、DEIを軽視する企業は優秀な人材を失うリスクがある。

会計士業界にとって、若い人材の獲得は長らく重要な課題であった。Z世代が労働力として増加する中、彼らが求める包括性を無視した企業は遅れをとるかもしれない。政治情勢がどうであれ、DEIへの真のコミットメントは、人材の期待に応え、長期的な成功を確保するために不可欠である。